吟遊プログラマー

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とにかく嫌いな言葉たち

「と考えていて」「と思っていて」

ITやベンチャー系の人に多い。大体ただ文章をつなげているだけ。もっと簡潔に話せないのだろうか。

スピード感

スピード感とは「スピードをもって物事が進んでいる感じ」だと理解している。実際にそうなのかどうか、そうやる意思があるのか全く言及していない。 雰囲気が大事、雰囲気が好き、という、悪い意味での日本人らしさを感じる。 お願いだから実際にスピードを持ってやってほしい。「スピードを持ってやるつもり。その雰囲気は出しますよ。」ということ。 まあでも「スピード感」が登場するのは、プレゼンや記者会見など、自分を評価する相手にアピールする場面が多い。
となると、相手がスピードを「感じ」れば用法として問題はない。

お話し聞か「させ」てください、など

ぎりぎりまで音をそぎ落とし一音でも外した途端に優雅な雰囲気が台無しになる名曲、それが日本語だとした場合、これは最悪なところで音を外している。意図的に、確信犯として。テレビで言った人は二度と出てほしくない。もしこれでインタビューされても絶対話はしない。 敬語を間違うというのは、何重にも罪が重いのである。 心なく形だけで敬語を使っていることが即座にわかるから。例えそうでなくても、そう思われて仕方ない。

心が折れる

この言葉に値するレベルに達していないことが多い。一生に三回までにしてほしい。

良かったら

本来は気遣いの言葉であるが、何事も濫用すると擦り減る。
定型句として常用するような人は、かえって気遣いのなさを露呈している。
もし意識して多用している場合には、善意の暴力、あるいは極度の用心深さを感じる。
特に異性を誘うような場合などには、これは余計な枕詞にしか思えないが、怖い気持ちはわからなくもないので、一生に三回までなら許す。

学び、気づき

とても宗教的というか、自己啓発セミナーやスピリチュアルの匂いがする。
「学び」「気づき」と言っている人たちはそれまで何も学ばず気づかずに生きていたのか。
何か体験をして「学び/気づきを得られた」という表現が多いが、なぜ当たり前のことをわざわざ言葉にしなくてはいけないのか。
これは偏見だけど、マインドフルネスとかヨガにはまったり、「インドに行って人生観変わった」という人は同じ部類という気がする。

一年間海外のコワーキングスペースを巡った方法と感想

今回の記事は、コワーキングAdvent Calendar 2015の12日目として、よからぼ天神さんの記事からバトンを引き継いで書いています。
よからぼ天神さんは、僕が日本の都市部で見たコワーキングスペース(以下CS)の中では、最もピカピカの未来的なCSでした。機会があればまたお邪魔したいですが、都会が嫌でノマドになったので難しいかもしれません。

今年はノマドワーカーとして21カ国42都市を巡りました。まだまだプロのノマドワーカーには程遠いですが、記憶に残る海外のスペースを紹介しつつ、CSについてのTipsを書いてみます。

CSでつながりが生まれる条件

CSで知人を作るには、よほど社交的な人でもない限り、何かしらきっかけが必要です。以下、体験談で書きます。

ちなみに自他ともに認めるところですが、社交辞令に使うエネルギーがあったら読書や開発に振り向けるので、僕は非常に不愛想です。今まで親切にしてくれた皆さんありがとう

イベント

やはり人気のCS、規模の大きいCSほど、イベントの頻度も高いような気がします。HUBUDBetahaus等では、毎週ランチ会やメンバー交流会があり、初参加者も抵抗なく入っていける雰囲気がありました。

交流イベントは異業種交流会と同じで気持ち悪いという人(自分)もいるでしょう。大体、交流のための交流、技術のための技術、芸術のための芸術など、「AのためのA」を全面に押し出すのはかなり危険だと思います。

でもメンバー以外も参加できる幅広いイベントがあるので、CSの雰囲気を知るためにイベントに行ってみる、というのも有効です。特にハッカソンや勉強会だと無料でCSが使えることが多いのでお得です。

ベストセラーになったピクサー創造するちからでも、社員の交流を促し、かつ創造性に刺激を与えるために、社内でヨガや絵画のイベントを開いているということでした。CSのイベントにも共通するところがありそうです。

CSの役割という意味では、地域イベントの会場になることで、かつての公民館の役割を担っている場合もあるようです。スタバはどこにいってもスタバですが、CSは同じものはないので、地域性は魅力になると思います。ノマドワーカーとしては顧客や同僚が地球の裏側にいても関係ないのですが、何か自分の職能で地域に貢献できるならCSへの愛着も増すと思います。

メンバー内イベントということでは、Hacker ParadiseRemote Yearの取り組みも面白そうだなあと思っています。毎週各自のプロジェクトの進捗発表会があり、メンバー間で協業プロジェクトが生まれたりもしています。

両者はCSではなくCS放浪ツアーですが、そこはポイントではなく、注目すべきはイベントの強制性です。もしこういった進捗発表会やランチ会を有志参加にしてしまうと、不定期開催になったり、参加者が少なすぎて盛り上がらなかったり、無くなったりする可能性があります。

ある程度会社や学校と同じように、メンバーの半強制的イベントにしてしまった方が「仕方ないじゃあやるか」という気になる人もいるのではないでしょうか。

これは田舎のコミュニティのメリット/デメリット問題と似た構図です。村八分になりたくなければ地域行事に参加しなければなりませんが、参加してみると意外と面白く知り合いも増えるかもしれません。

またCSによっては、メンバーがCSの運営に関わったり、CSをどうしていくか会議を開いているところがあります。もっと極端なケースでは、コワーカーが自分たちでCSを建ててしまう場合もあります。「CSが自分のために何をしてくれるかではなく、自分がCSのために何をできるのか考えよ」ということで、これはもうCSの最高の形ではないかと思います。

Facebookページ

人気のCSには必ずFBページがあり、運営側のイベント告知だけではなく、メンバー同士の会話も盛んです。

特にHUBUDでは入居者の大半が欧米からの移住者・短期滞在者であるため、

  • 案件あるけどどう?という仕事仲間の募集
  • その街・その国に住む上での生活相談(例:住居、ビザ手続き、お薦めの写真屋やヨガ教室)
  • もうすぐ帰国するので○○が不要になるけど誰かほしい?
  • CSの○○が壊れているので直してほしい

など、CraigsList的な掲示板になっています。

人口密度

カフェでもそうですが「満席にあと一歩」くらいが最も会話が生まれます。

「ここ空いてますか?」
「ちょっと席を外すので私のPC/荷物を見ててもらえますか?」
「その電源タップ使わせてください」
「その扇風機こっちに向けていいですか?」(HUBUD限定)

という会話に始まり、お互いそれほど忙しそうでなければ、

「あなたもプログラマーなんですか」「僕もノマドなんですよ」

みたいな自然な会話に流れていきます。

つい先日も、横に座った人とそんな感じで会話が始まり、プログラミング初級者で開発環境構築で苦労していたので、一緒に問題を解決し、その後は昼食を一緒に食べに行く仲になりました。

hitokun.hatenablog.com

PCステッカー等の自己紹介サイン

エンジニアやデザイナーであれば、何かしらのコミュニティに属していたり開発イベントに出たりして、ステッカーをPCに貼っています。また横に座っている人の画面をちらっとみて、IDE統合開発環境)ならエンジニアだとわかるし、ブラウザであっても共通点を発見できます。

これもつい先日ですが、横の人がDigital Nomad Conferenceのサイトをみていたので、「そのサイト知ってますよ、あなたもノマドなんですか?」といって会話が始まりました。

またギークが良く着ているイベントTシャツもステッカーと同じ機能を果たします。

そもそも何か難しそうな顔をしてカタカタやっているエンジニアには、非常に話しかけづらいものです。でも四六時中切羽詰まっている訳がないし、話しかけてもらって全然welcomeだったよ!ちょうど作業に退屈していたところだったんだ、ということは往々にしてあります。そもそも一般のギークのイメージに反して、エンジニアという人種は概しておしゃべり好きです。

フリーランサーのサイトを見ていると時々「HireMe」みたいなコーナーがありますが、それを真似して「TalkToMe」というステッカーをPCに貼ってみようかと思う今日この頃です。

アメニティ

席が遠い人との日常的な接点はアメニティ、お菓子やカフェコーナーです。

少々不親切なアメニティが丁度よく、新参者が「コーヒーはどうやって入れるんだろう?」と思って探しているとCSの先輩がやってきて、教えてくれたりします。お湯が沸く間に「見ない顔だけど最近ここに来たの?」という会話が始まります。この部分だけ見ると、CSというのはシェアハウスや寮にも似ています。

もちろん逆に教える立場になることもあります。旅先では意識して親切に接すると出会いが増えるという当たり前の事ですね。

面倒見の良いCSスタッフさんが飛んできて教えてくれることもありますが、できれば傍観して頂いて、利用者の相互扶助を待ってほしいものです。

CSだけでなく宿泊施設や交通機関にも言えることですが、設備や説明がシステム化され過ぎていると人と人の距離が都会的になり、利用者の素朴なコミュニケーションが減ってしまうような気がします。

世界のノマドネットワーク・CSネットワーク

大体「Berlin coworking」みたにググれば、どこの街でもメインのCSは出てくるので探すのに困ることはありません。ただCSのネットワークサイトがいくつかあり、俯瞰するのに便利で、ユーザ特典があったりします。

僕が時々使っているのはCopassです。ここに掲載されているスペースであればどこであっても、予約すれば1日だけ無料で使えます。当日予約でも問題ありません。オーナーとのチャットも便利です。

ノマドネットワークとしては、#nomads Slackと、Digital Nomad Forum という大きなサイトがあります。

nomads Slackには国単位どころか都市単位のチャネル(掲示板)があり、例えばTOKYOチャネルでは、

「来週から東京へ行くんだけど、ノマドに快適なCSを教えて!」

みたいな投稿は毎日あります。

またイベント探しには、有名どころですがmeetup.com が便利で、IT系の場合、多くはCSで開催されています。

記憶に残るCS

Hubud(バリ島

バリ島中心部のウブドの田んぼのど真ん中にある。

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(遠くに見えるのはキンタマーニ山。当然ながらキンタマーニ犬が多い。)

ある意味では遠く欧米からここに来ている時点で、メンバーはかなりフィルタリングされている。典型的には『食べて、歌って、恋をして』のように、欧米の都会の生活に疲れたから南国の楽園で人生を楽しもう、というスタンス。移住者も多い。

約1か月の滞在中、毎日お昼には知り合いの師匠の家に行って伝統楽器をマスターしてみた

Work Saigon(ホーチミンシティ、ベトナム

www.worksaigon.com

騒々しいホーチミンの通りから一歩奥に入ったところにある。カフェメニューが充実。でも一般の屋台や食堂に比べるとかなり割高で、それはHUBUDも同じ。そもそも現地物価と比べてしまうと、利用料金も相当に高い。でも経営上仕方ないのかもしれない。

ホーチミンで一番仲良くなったのは意外にもここで出会った人ではなく、人気チェーン店HighLand Coffeeで突然隣から声をかけてきた企業インターン生のラム君。いつか自分も、カフェで隣に座った人に突然声をかける強いメンタリティを持ちたいと思う。

DarbaVieta(リガ、ラトビア)

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Copassで見つけて訪ねて行ったところ。メンバーの誕生パーティや海辺への開発合宿に誘ってくれたりと、気さくな人達ばかりだった。

日本人の印象を尋ねると「日本人はすごく珍しいから、印象というものがない」いう反応。

オーナーの女性は起業家で、自分も入居している。会社と友達と妹のために借りたスペースをCSにしてしまったような感じ。ビジネスになっているのかはわからないけど、「仲間の、仲間による、仲間のためのCS」というのは楽しいには違いない。あと旅する仕事場もそうだったけど、オーナーが会社ごと入居しているところは成功している気がする。

Aeon(エレバン、アルメニア)

www.tripadvisor.com

何でもありのおしゃれ文化センターといった感じ。コーヒー紅茶はもちろん、ビスケット類が食べ放題なのに加えて、滞在2時間ごとに、スタッフがサンドイッチを手作りして持ってきてくれる、という不思議なサービスがあった。

一元さんの場合、入退室時間をカードで記録し、滞在時間に応じた料金を支払うシステムがあり、漫画喫茶のCS版と呼んで良い気がする。 

またここは記憶にある中で女性比率が一番高かった。男くさいCSが多いから女性がいると雰囲気が変わって嬉しいというレベルの話をしているのではなく、女性でも入りやすい雰囲気を作れているのがポイントで、それはつまり老若男女に受け入れられるということ。ラーメン店や漫画喫茶ですらそれを意識する時代なのだから、CSはもっと意識すべきだと思う。あと企業や政治と同様に、女性オーナーのCSがもっとあっても良い、というか作るべき。

もちろん若者比率や女性比率には外的な要因もある。エレバントビリシはそもそも若者の街で、女性がとてもアクティブなので、おしゃれなCSがあったら当然宿題や仕事をしにくるだろうし、女性スタッフがCSイベントに友達を呼んだりもする。『フレンズ』に出てくるたまり場カフェみたいな感じ。

また男女比率については、そもそもエンジニアの男性比率が高いので、エンジニアが多いCSの男女比率を均等にしたいたら、まずエンジニアという職種がそうなる必要がある。でもデザイナーには女性も多そうだし、コワーカー全体で考えれば将来的には半々になるはず。

Betahaus Berlin(ベルリン)

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ハッカソン参戦のため滞在したベルリンでは、毎日ここの1階のカフェで作業。毎日満席。メンバーもみな常連。こうなるともう、カフェ=CSになっていて、上の階のCSに入居する必要がない気がする。

ハッカソンの様子はこちら。

hitokun.hatenablog.com

Betahausは各国に拠点があり、ソフィアに行ったときも工場みたいに馬鹿でかいCSがあった。

CSにあって良かったもの・あったら良いと思うもの

言うまでもない事ですが、CSでも会社でも最大のポイントは人です。いろいろ我儘ばかり書いてきましたが、もし最高のチームがあって自分がその一員なら、それが窓のない地下牢であっても、無人島に建てた掘っ建て小屋でも、伝統的なガレージであっても構いません。

ただ想像を絶する激しい拷問により「もっと我儘を言ってみろ」と三日三晩責められた場合には、下記のような点を挙げるかもしれません。

コーヒー・紅茶・お菓子

現代的な会社だと無料ベンディングマシンを置く所も多いですが、やはり自分で作る方式の方が、気分転換やコミュニケーションのきっかけになって良いと思います。イベント告知や自己紹介カードが同じ場所にあると、さらに良いのではないでしょうか。

図書

エンジニアの仕事関係の読書はネットやKindleが中心だと思いますが、幅広い分野の図書があると刺激になるし雰囲気も変わります。ナナエフさんには膨大な図書があり、しかも貸出システムも整っていて驚きました。学校でも会社でも図書コーナーがあるのに、CSには無いというのは、ちょっとしたハンデではないかと思います。シェアリングエコノミー全盛のこの時代、CSのメンバー全員が自分の図書を共有すれば莫大な価値が生まれると思うのですが。

メンバー共有リソース

そのようなメンバー共有リソースを実現してしまった例が、HUBUDのメンバー専用システムです。CS専用のサーバーがあり、そこに大量の電子書籍や映画が入っていて、メンバーは読み放題、見放題です。サイトにログインして、ライブラリページを開いて、タイトル一覧から選ぶという、AmazonやHuluのようなシステムが構築されており、新作映画を入荷しました、みたいなお知らせまであります。

もちろん自宅からでもシステムは使えるので、この場合CSの「スペース」はワークスペースという意味だけでなく、サイバースペースまで含むものと見るべきかもしれません。

映画の話はともかく、CSを緩い会社もしくは職人集団と考えた場合、やはり何かしら知識経験の共有手段があると、入居のメリットになると思います。勉強会は定義上は知識共有手段ですが、はっきり言って勉強会は勉強を目的とするには効率が悪すぎるため、同志を集める手段、ネットワーキングの手段と捉えています。その点、書籍等は自習に向いているし、自分で購入するには限度があるので、メンバーで共有できるとありがたいです。Kindleのデータは簡単に共有できるらしいので、そういった内部ネットワークがぜひ欲しいと感じています。

ホワイトボード・紙&鉛筆

CSとは最高にクリエイティブな場所のはずで、そこにいるエンジニアやデザイナーというのは身体のどこを切っても情熱とアイデアが溢れてくる人種のはずだと思います。そしてアイデアを練ったり伝えたりするためには、紙と鉛筆がベストだと思っています。ピクサーIDEOでも社員の机には紙がつんであるはずです。知りませんけど。

もしかすると皆さんペンタブレット派なのかもしれませんが、いずれにせよあまり何かを書いている光景を見かけません。

自分の場合、なるべくルーズリーフとペンを持ち歩くようにしていますが、うっかりするとこんな風に裏紙に書き殴ることになります。

ということでCSには、紙と鉛筆と、それを湯水のごとく消費する、情熱とアイデアに溢れた起業家とエンジニアを置いて欲しいです。

習い事

CSをカルチャーセンターと勘違いしていると怒られそうですが、僕は常に新しい楽器や外国語を体験レベルではなくきちんと習いたいと思っています。しかしそういったチャンスを見つけるのはなかなか難しいので、CSの定期イベントとしてカバーしてもらえたら最高です(語学学習会はmeetup.comには結構あります)。会計や起業の勉強会は日本のCSでよく見かけますね。

キッチン

ヨーロッパのCSには必ずと言ってよいほどキッチンがあり、昼食や夕食をみんなで作ったりしていました。シェアハウスやホステルと同じで、メンバーの親睦を自然に深める効果がありそうです。ホステルで旅人と仲良くなるきっかけの50%はキッチンで生まれます。欧米人はパーティ好きということもあります。

動物(これはほぼ冗談です)

外国ではカフェに名物犬がいたりペット同伴で来る人も多いですが、犬や猫がいるとそれだけで楽しくなるし、煮詰まったときに気が紛れます。Work SaigonやAgora Collective(ベルリン)にはアイドル的存在の犬がいました。

最近多いですが受付に美人スタッフを置いて頂く必要はないので、代わりに動物を置いてほしいです。

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(非参考:お茶の間ゲストハウス、千葉)

振り返って

上記のような盛り上がっているCSがあった一方、多くのCSはかなり閑散としていたり、実体は貸しオフィスだったりして、
自分にとって滞在するメリットがありませんでした。

ノマドワーカーにとってカフェかCSかというのは名前の問題でしかないので、カフェの方が価格で分があり、さらに雰囲気も良いということなれば、CSを選ぶ理由がありません。どの街にも人気のカフェがあり選択肢も多く、さらに言えば人気とはいっても席に余裕がある場合が多いので、ある程度長時間いることもできます。

今年はバルト三国・東欧・コーカサスインドシナ半島などを巡りましたが、Wifiが使えるカフェがなくて困ったことは一度もありませんでした。ついでに言えば、例えばタリン(エストニア)やトビリシ(ジョージア)では、中心部では市の無料広域LANが使えるので、そこらの公園のベンチでも仕事はできます。しませんけど。

TripAdvisorやLikeALocalを使えば雰囲気の良いカフェ、地元の名物カフェはすぐ見つかります。

www.likealocalguide.com

ただし地域によっては、平日の昼間は主婦や老人ばかりという逆の低ダイバーシティになるため、ノマド仲間を発見できず渡世人の辛さを味わうかもしれません。都市部ではSt.Oberholzのように、いつ行ってもPCピープルしかいないという、CS以上にCSみたいな、ノマドワーカーのハブ的カフェもあります。

ノマドワーカーとしては下記の理由から、カフェ(またはカフェ兼CS)の方が純粋CSより心地よいです。

  • 何といっても一元さんが入りやすい(CS併設カフェは上にはCSもあるよ的な導入緩衝地帯になっている
  • 人口密度が高いことによるコミュニケーションメリット
  • 地元の人も一定割合いてローカルな雰囲気が生まれる
  • 人々の会話やBGMが適度に存在して逆に作業に集中できる
  • ダイバーシティ(利用者の年齢・性別・職業・人種等に偏りがない)

本記事で紹介したような海外のCSはこれらのカフェ的な条件を満たしていたので居心地が良かったのだと思います。
ダイバーシティについては、本当に個人の好みなのですが、ギークが集まって黙ってPCをカタカタ鳴らしているような雰囲気はちょっと苦手です。

僕は小学校からずっと、休み時間や放課後は一人読書に耽っているタイプの暗い少年でしたが、学校が好きだったのは読書できるからではなく、みんなが思い思いに遊んだり自習をしたりする雰囲気の中で読書するのが好きだったからだと思います。もしクラス全員が自分と同じにように着席して黙って本を読んでいるような気持ち悪い学校だったら、さっさと外に遊びに行ったことでしょう。

カフェVSコワーキングスペース問題について、Betahaus Berlinを例に取ると、1階のカフェは満員状態ですが、有料の2階のCSはガラガラです。
しかし前述のように、むしろカフェの方が出会いの機会は多いです。またCSのイベントは会員交流会以外は、誰でも参加できます。

となると、カフェで十分というか、むしろカフェの方が楽しいような気がしてきます。勿論迷惑にならないよう定期的に注文するか、混雑時は一定時間でお店を出るといった配慮は必要、そこはCSに分があるところです。

そうだ、大事なことを書き忘れていました。

その他カフェよりCSに分があると思う事

  • 深夜早朝休日でも、何度でも、何時間でも、自由に出入りできる

    ただしカフェが土日も空いているのに対して、CSには土日が休みだったり、5時で閉まってしまう場所もあるのでケースバイケースです。フルタイムのメンバーシップであればたいてい鍵をもらうので関係ありませんが。

    「自由に出入りできる」ことは重要で、ちょっと図書館に行くとか、夕食の材料を買いに行くとか、ジョギングに行くとか、生活スタイルに合わせて利用ができます。

  • 自分の机を持てる、自分の持ち物を置ける

    図書を置いたり、マルチスクリーンで作業効率アップができるのは大きいと思います。3Dアニメーション制作など、ノートPCではスペックが足りないようなお仕事をされている方はPCを置く必要もあるでしょう。また会社でもそうですが、机の上というのは個性が現れるので、

    「このオライリー本、僕も買おうか迷ってたんですよ」
    ←と言いながらもう手に取って読んでいる
    「その人形かっこいいですね、アニメ好きなんですか?」
    ←アニメには興味ないけど親しくはなりたい)」

    みたいな会話のきっかけになります。

以上です

最終的にはやっぱり、大自然のど真ん中で、好きな開発だけやって暮らしたいですね!

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(非参考:ルアンプラバン、クァンシーの滝)

初海外ハッカソン!

語り得るものについては、沈黙してはならない。特に初海外ハッカソンなら。(ヴィトゲンシュタイン 自分)

はじめに

ベルリンで行われたハッカソン「PhotoHackDay4」に参加し、開発し、発表してきました。

以前からベルリンがスタートアップにとってホットスポットになりつつある、と聞いて興味があったのですが、こちらの堤さんの記事、

d.hatena.ne.jp

を読み、うらやましくなり大いに刺激され、英語コンプレックス撲滅とネットワーキングを兼ねて参加することにしました。

PhotoHackDayは今年4回目になる中規模のハッカソンで、1日半で何か写真に関するプロトタイプアプリを作る、という内容です。CanonAmazonも後援しており、ニューヨークや日本でも開催されているようです。

今回はEyeEmという、インスタグラムのようなアプリを作っている企業が主催者です。ベルリンを拠点としているだけあって地元の若者は皆知っていました。

ドイツも初めてなら、人前で英語で話すのも初めてでしたが、人生最高の経験になりました。どれほど最高かというと、ハッカソンの後にベルリンの中央駅でプロ集団に財布を掏られてすべてのカードを失い、早急に帰国することになったのですが、それが全然気にならないほど最高でした。

作ったもの

commentie.net

Commentieという、ちっちゃなツールです。技術的に新しい挑戦は一つもありません。

EyeEmのサイトで公開されている写真のURLを入力すると、その写真に対して寄せられたコメントが重畳表示されます。ユーザはコメントをマウスで動かしたり、吹き出しを付けたりでき、画像としてダウンロードできます。

コメントが無い/少ない写真の場合は、おまけの機能(後述)があります。

※僕はバックエンドエンジニアなのでその辺大目に見てください(言い訳)

以下、時系列で書きます。

当日まで

僕がいつも心配で眠れなくなるのは、自分のアイデアが公知のアイデア/製品ではないか、ということです。誰かがすでに作ったものについてモチベーションが湧く訳がありませんし、開発者へのリスペクトもあります。

しかし案外この感覚がない参加者がいて、チームでアイデア出しをする場合、平気で思いつきの(公知の)アイデアを出してきます。

そういう人に限って、普段から情報収集もしなければ、その場でググることさえしません。こちらが類似を指摘すると水を差すな、みたいな顔をします。パッと類似アプリが思いつくアイデアなど大した価値はないと思うのですが。

今回はphotohackdayということで写真関連なら何でも構いませんでした。

ARや画像認識、新種のエフェクタなど30個ほどアイデアを練りましたが、連日ググった結果、全て公知であり、しかもPhotoHackDay1~3で出尽くしていたアイデアでした。エフェクタについてもphotoshopが最近のリリースでカバーしていました。ここが4回目の不利なところです。

今回は技術力をアピールすることより、英語でのプレゼンが目的だったので、技術的に凡庸なアプリであっても、自分の中で「公知でない」ことさえ確認できればそれでいこうと思いました。

結局、31個目に考えた「SNSに投稿された写真と、それに対するコメントを自動合成して一枚の画像にする」アプリにしました。これなら、

  • フロントエンドでよく遊んでいる自分にとって新たな技術を必要とせず、1日半で完成できる
  • 想定SNS=EyeEmとすることで、EyeEmのAPIを自然に利用できる
  • 時間が余っても、画像処理、コメントの装飾、コメントの自動生成など、付加機能で遊べる
  • それらしい機能のSNSアプリが見つからない(でも絶対あると思う)

という条件も満たしていました。

決戦前夜

主催者により早々にslackが立ち上がり、EyeEm-APIの使い方など質問が飛び交います。

APIの説明は初日の午前に時間が取られているのですが、EyeEm側も質問にどんどん答えて、github上のAPIドキュメントが最新の情報に更新されていきます。

API利用のためには開発者登録をし、ClientIDとClientKeyを取得し、それを使うアプリも登録する必要があります。アプリをEyeEm側が認証するのには時間がかかります。

また、EyeEmのAPIはOAuth2を利用していて、EyeEmアプリに使うサイトはHTTPSで提供する必要があるということでした。サーバ(AWSインスタンス)を立てるのは数秒ですが、SSLを使うためには、ドメインを取り、SSLを購入しなければなりません。ドメインSSLが有効になるにも一定の時間がかかります。

これらを当日やっていたのでは到底実装に間に合いません。戦いはすでに始まっているのです。

アプリ申請、ドメイン取得、廉価SSL取得、httpsサーバセットアップ、すべての処理を前日までに終えて、当日の朝を迎えました。

あとは実装するのみです。

当日朝

目的達成のためには明らかに一人チームがベストだったため、そのつもりで会場へ行きました。
イデア持参の何人かが、開発者としてうちのチームに来ないかとやんわり誘ってきましたが、
「自分のアイデアを実現するために来たのですみません」とやんわり断りました。

こちらはもう、APIを利用するために、サイトのドメインSSLまで取ってしまっているので、いまさら別のアプリに変更はしたくありません。

一人チームにしたかった理由は、自分のアプリのアイデアに固執したいからではなく、

  • 確実に自分でプレゼンできる
  • 作業をコントロールできる
  • 作業コストの見積もりが正確にできる
  • 監督脚本主演はある意味最も効率的

からです。以前、当日チームビルドして臨んだ日本のハッカソンで、

  1. イデアと方向性と実装機能を決めるのに時間がかかって実質的に開発工数が短くなる
  2. エンジニアに負担が集中する
  3. 「今はプログラム書かないけど昔やってたできる」という人がいて「できる」と言うから作業を任せたのにいくら待ってもできなかった

という苦い経験をしました。マネジメントする人がいなかっただけで、自分にも責任はあります。

しかし別のハッカソンでは凄腕エンジニア&デザイナーのメンバーに恵まれ、アイデアも一瞬で固まり、全ての作業が予定通り進みました。運の要素、つまりリスクがあるということで、今回それを避けたかったということです。

あと上記(3)の相手がそうでしたが、ハッカソンを仕事より格下の遊びと考えて、

「まあ予定通りできなくても仕方ないね、出来なかった分はモックにすればいいし。ところで昼ご飯なに食べに行く?」

とみたいなことを一日目から言い出す人がいます。何なんだ?と思います。仕事じゃないと思ってなめているんでしょうか。恐らくこの人は仕事でも手を抜いているのではないかと思います。

ハッカソンは所詮は遊びですが、大人の遊びというのは本気で、命がけでやらないと面白くありません。またハッカソンで有用な技能というのは仕事に有用な技能とかなり共通しています。「この人すごいな」と思うエンジニアやデザイナーは普段から刃を研ぎ澄ましています。油断すると一瞬で打ちのめされます

そういう意味で、ハッカソンは仕事と同じ真剣勝負だと思います。全力で臨まないと後悔しか得られません。

最初から熱くなりました。

アジア人は自分以外に3人いました。後になってわかったことですが、中華系マレーシア人(ハンくん)、中華系インドネシア人(エリサ)、謎の中国人という3人で、結局日本人は自分だったようです。

ピッチとチームビルドタイム

ピッチ&チームビルドの時間になりました。

いくら何でも「完全秘密裏に一人で開発するから発表のときだけ混ぜてくれ」というのはハッカソンの礼儀に反します。
ピッチをしても良かったのですが、やたらピッチに立つ人が多かったのと、万一誰かきて予定を狂わされたくなかったので、
ピッチタイムの間に自分のアプリ企画資料を書き、それをslackのチームビルド板にアップして、「来るもの拒まず」とだけ通知しておきました。

もちろん主催者にも伝えて了解してもらいました。

開発タイム

開発は、

  • EyeEmアプリのOAuth認証が途中でエラーになる
  • EyeEm上の写真を、自サイトのcanvasに画像URL経由でコピーするとクロスドメイン制約でデータを加工できない

という想定外の問題が想定通り発生しましたが、EyeEm技術者に相談したり、
アプリのアーキテクチャをサーバサイド中心に変更したりして、落ち着いて対応できました。

夜になりちょっと寂しい気持ちになっていた頃、二人の来客(ふらっと机に来るだけ)がありました。

ハンくん

数少ないアジア系の参加者で、マレーシアのペナン島からライプチヒに留学中の大学生。制作中のサイトに動きを入れたいのでjqueryでのやり方を教えてほしい、と突然聞きに来ました。

彼がどうして自分ならそれを解決できると思ったのか未だに不思議です。問題はshow()だけで解決したのですが、コピペばかりのGoogleMapのコードも動かないと嘆いていたので一緒に直しました。

フランシー

開発が山場に差し掛かるころ「あなたのアプリ資料を読んだわ。ちょっと話したいけど良い?」という声が降ってきました。誰も見てくれるな、と思ってこっそり資料を置いたのに、もっと手抜きして書くんだったと一瞬後悔しました。

でも後になって考えると、彼女への説明は良い仮想ピッチになったような気もします。彼女は企画意図をすぐ理解しただけでなく、

「背景色によってコメントが見えづらくなる」という問題に対しては、
「コメントテキストに反対色の縁取りを付ける」「コメントを枠線つき吹き出しにいれる」という解決策を、

「写真投稿からコメントが付く時間を十分空けてから、コメントのレイアウトを調整するユーザ負担がある」という潜在的問題に対しては、 「写真投稿時にユーザがコメントエリア(吹き出し等)を事前に設定しておき、後にコメントがされると自動的に配置されていく」

という解決策を提案してくれました。

各機能の実装優先順位が難しいところですが、とりあえずフロントで遊びたかったので、
吹き出しを付けたり外したりできるようにしました。

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さらに、写真投稿者とコメント者の親密度に比例してコメントサイズを変える機能についても、 僕の構想ではユーザの相互コメント量から親密度を計算してサイズに反映、としていたのですが、
SNSでの「いいね」を加味するというアイデアを出してくれました。

とても頭の回転の速い人でした。

意外だったのは、「写真を文字などで装飾する文化はドイツにはない」とフランシーが言ったことでした。

「でも女性はデコレーション好きだから、プレゼンが良ければ審査員に訴求すると思うわ」と言ってくれて、これは発表時に背中を押してくれました。

フランシーのチームは、開発プランがまとまらない上に、唯一の開発者であるフランシーに負担が集中し、さらに他のチームメンバーは早々に帰宅してしまったらしく、若干投げやりになって気晴らしに話をしにきたらしいです。

彼女のチームは結局、翌日プレゼンできないという悲しい結果に終わりました。

このように崩壊するチームが出るのはどこのハッカソンも同じです。翌日助言のお礼を言いたかったのに、フランシーを見つけられませんでした。

プレゼン当日朝

翌朝会場に向かうUバーンに揺られながら、プレゼンのシミュレーションが頭の中で終わりました。

今回のPhotoHackDayで良いと感じたことの一つに、「プレゼンはデモのみ」ルールがありました。

パワーポイント的な説明資料なんて見たくないからとにかく持ち時間フルに使ってデモをしてほしい、というアナウンスが実に気持ち良かったです。

ただし審査員に向けての簡単な説明資料はプレゼン前に提出しなければならず、Slackで提出デッドライン時刻を質問したのですが、

「12時半までOKだよ。でも忘れないで、資料作りよりハックが大事だよ

とコメントされ、うんその通りだね、と頷いてしまいました。

実装まで到達できず資料で構想を紹介してお茶を濁すようなプレゼンや、非エンジニアが登壇して美しくデザインされた資料で熱弁を振るうプレゼンをたまに見かけますが、やはりハッカソンは動くものを作るところであってほしいです。構想だけなら誰でも考えられます。アイデアソンやプレゼン大会に来たわけではありません。

かといって、疲れ切ったフランシーやかつての自分のように、過度の負担がエンジニアに集中するのも正しい姿ではなく、難しいところです。

ちなみに他に今回良かったことは、

  • 参加無料
  • Slack上でのスムーズなコミュニケーション
  • 食事が非常に豪華で美味しい
  • 主催者スタッフがフレンドリー

などです。

プレゼンタイム開始後

自分の発表の番が来るまでが、最後の追い込みです。

理想的にはPCを閉じて、観客席で足を組んでコーヒーでも飲みながら、他者の発表を拝聴するべきなのでしょう。

でもそんなお行儀の良いエンジニアがいるでしょうか? もっと改善できたのに自分は全力を尽くさなかった、と毎夜枕を濡らしたいエンジニアがいるでしょうか?

ステージに上ってマイクを握るまで、戦いはまだ終わっていないのです。

+αの機能やデザインの手直しなど、優先順位で後回しにしていた開発項目を時間の限り消化していきます。  

今回やったことは3つ。

(1)タイトルの文字サイズの変更

観客が気に行ったチーム/アプリの名前を紙に書いて投票する形式でした。
名前がわからないと投票しようがないので、アプリ名「Commentie」を大きく表示しました。

(2)「秘密のボタン」を隠す(デフォルト非表示にする)

今回、プレゼンの秘策として「秘密のボタン」をつけました。 写真にあったコメントを自動生成する、というものです。

しかし時間がなかったために、プレゼンタイム開始時点では「秘密のボタン」は最初から表示されていました。 最初のノーマルな機能の説明時にも、観客の意識が秘密のボタンに行ってしまい、 「秘密のボタン」が観客に与える効果は半減してしまいます。

そこで、当初、

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というように最初から秘密のボタンが出てネタバレ状態になっていたのを、

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という動きになるように変更しました。

起承転結というと大げさですが、この場合、

  1. コメント付写真を使ったデモでノーマルな機能をさらっと紹介して、これで終わりです、という雰囲気を作る
  2. コメント無写真という、かわいそうな場合もありますよね、と言って「まだあるんです」と興味を引く
  3. その場合どうなるんでしょうか?といってデモ
  4. コメントが自動生成されたのでもうさみしくありません!
  5. 自動生成機能について説明してEyeEm-APIの活躍をアピール

という展開が理想です。 振り返ると、この変更が今回最大のポイントでした。

(3)自動生成コメントの多様化

上記が終わってまだ時間が余ったので、自動生成コメントを多様化しました。
まあ多様化といっても、Vision APIが返してくれる写真中の事物名称(mountain, flower, humanなど)に、
"Great"、"Amazing"、"Excellent"、"Nice"、"What a" などをランダムに付け足すだけです。

程なくして「次の発表チームは・・・Commentie、お願いします」というアナウンスが聴こえました。

プレゼン

PhotoHackDayはハッカソン参加者以外の観客がかなり来場していました。小さい子どもを連れた家族もいます。もしかすると参加者や主催者の家族なのかもしれませんが、いずれにせよ日曜の午後というプライベートの時間を割いて、自分の発表を見に来てくれた人達です。少しでも楽しんで帰ってほしいです。

マイクを握ったとき、一瞬、

「すみません、僕は日本から来た旅行者なので、英語が下手で聞き苦しいかもしれませんが、宜しくお願いします」

と前置きしたい衝動に駆られました。しかしこれを言った瞬間に自分は何かに負けて何かを失うことがわかっていたので我慢しました。

一体これまで何度、そのような卑屈な言い訳を繰り返して相手と自分を誤魔化してきたことでしょうか?

英語で苦労しているのはみんな同じです。それによく考えてみると、聴衆であるドイツ人にとっても英語は外国語です。

でも何か言いたかったので「大したことないアプリだからみなさん寝ていいですよ」とだけ言ってプレゼンを始めました。

僕はプレゼン大好きというか熱中するタイプで、結局それは英語でも変わりませんでした。とにかくアイデアをきちんと伝えたいという気持ちが常に緊張を上回ってしまうのです。開発期間は1日半でも1週間考え続けたアイデアです。出来の悪い不細工な我が子への愛情を、恥ずかしがらずに出すだけです。

さて、

「写真のURLをコピーして」「このボタンをクリックすると」というように、説明と操作を同時にこなしていき、

SNSへのコメントが自動で重畳されて、吹き出しもつけれて、あと勿論、画像として保存できるんですよー」

というノーマルな機能の説明まですらすら終わってしまいました。

予想通り観客の反応は静かなもので、これで終わりと思っている人もいそうな感じです。うふふ。

いよいよOne More Thingの時間です。

「しかしコメントがある写真ばかりではありませんよね? 例えば、この人の写真には誰もコメントしてくれる人がいないようです。何てかわいそうなんでしょう」

いわゆる外人特有の、胸に手を当てての「Ah...」が聞こえます。新たな展開に興味を引いたのがわかります。

「ではこの写真でアプリを実行してみましょう。もちろんコメントは現れませんね。。。」

「おや、何かメッセージが出てきました、読んでみましょう」

(観客笑い始める)

「ではこの秘密のボタンを押してみましょう。さて、何が起こるでしょうか?いいですか、押しますよ」

(静寂)

(コメントが自動生成される)

(拍手、笑い声、口笛、足を鳴らす音)

「Let's me explain more, please!」(観客を鎮める)

「このコメントは適当なものではなく、EyeEm Vision APIによる事物認識結果を加工したもの、つまり妥当なものなのです!」

(拍手)

受賞者発表タイム

遠くから「Commentie!」と呼ぶ声が2回聴こえました。

1回目は、本当に自分ですか、と聞いて笑われながらカメラ付きドローンをもらい、

2回目は、さっきもらいましたが本当にまた自分ですか、と聞いて笑われながらAWS券をもらいました。

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2回目だったと思いますが緊張して出ていくとき転びました。

観客が大きく拍手をしてくれたのを聞いて、一応印象には残っていたようだと安心しました。

ドローンの方はEyeEm-API賞なので、EyeEmのVisionAPIをきちんと使ってあげた事が良かったのでしょう。

実はアイデア段階ではfacebookアプリにしようかなとも思ったのですが、主催者であるEyeEmとしてはAPIを宣伝したいという思惑もあるでしょうし、エンジニアとしては、技術的本質に関わるものでなければ、多少主催者に擦り寄ることには何の抵抗もありません

むしろそれくらいの気遣いはしても良いと思うのです。ご飯が本当に美味しかったですが、世の中本当にタダのものはありません。

twitterやブログ記事でも、EyeEm Vision APIによるコメント自動生成機能がメインに扱われている感があります。

www.eyeem.com

このブログ記事を読んで、はじめて自分が2位だったことを知りました。これで来年も参戦しなければならなくなりました。やれやれ。

その後

発表後、謎の中国人やその他多くの人が、日曜のミサでもないのに握手を求めてきました。

そのうちの数人は、「一緒に何かしよう」「仕事の話がしたい」といって声をかけてくれ、その後各々とミーティングや食事をすることになりました。

Zavenはシリコンバレーからヨーロッパに移住した起業家で、その後、起業家プレゼン大会に一緒に行きました。

「去年googleに会社を売りました」みたいな人がいて、なかなかのホットスポットぶりでした。

ヴォイチェクとはその後親しくなり、ちょっとした反省会をしました。

「僕は君の言っていることを100%理解できた。」と言ってくれて、心の中で号泣しました

「特に、『コメントをくれる友達がいないとき』の仕掛けは、ハートウォーミングな演出で観客に届いたと思う」

と言うのを聞いて、最後まであきらめずに開発して本当に良かったと思いました。

ヴォイチェクはデザイナーですが、ハードウェアを含む幅広いプロジェクトに興味があり、EMOTIVを使ったアプリを一緒に作って別のハッカソンに殴り込む約束をしました。

エリサ&アレックスもその後連絡をくれ、エリサがアルバイトしているインドネシア料理店で夕食を食べました。

アレックスはドイツ人ですが、フリーエンジニアとして東京やロンドンでも働いた経験があり、フリーエンジニアが外国やベルリンで仕事を得る上での実体験をいろいろ教えてくれました。ベルリンはスタートアップは確かに多いが、大企業や高給の仕事はやはりロンドンや東京が良い、ということでした。

エリサは東京やベルリンに語学学校の学生ビザで滞在しつつ、フルタイムのグラフィックデザイナー職を探している若者です。

親子ほど年の離れた二人は、数か月前の日本語好きMeetupで知り合い、PhotoHackDayへの参加を決めたそうです。

エリサはジャカルタで暮らしたくはなく、アレックスはベルリンで暮らしたくはなく、僕は東京で暮らしたくはありません。

エリサはベルリンや東京が良いと思っており、アレックスはロンドンや東京が良いと思っており、僕はベルリンが良いと思っています。

もっとよく話す必要がありそうです。手っ取り早いのは一定期間、各地で暮らしてしまう方法です。

振り返って

今回うまくいったのは運が良かった事もありました。

また開発者としては、

  • 開発した機能と工数が想定通りだったこと
  • 1日目の夜9時くらいにはホテルに帰って、7時間くらい普通に寝たこと

が良かったと思います。徹夜してフラフラになる達成感も悪くありませんが、全力で臨むというのは寝ないとかレッドブルを積み上げるということではなく、プレゼンを含めて最大のパフォーマンスを発揮できるように調整するということです

しかし何といっても今回の最大の成果は、英語のプレゼンが何とか通じたこと、でした。

「たぶん海外の開発者やハッカソンも日本とそんなに変わらないんだろうな」と想像はしていましたが、この問いにYesで答えられるようになりました。

海外旅行でもスカイダイビングでも何でも同じですが、「どうせ○○だろうから別に経験する必要はない」という分析は、客観的なものなら問題ないですが、憧れや言い訳の成分が混ざっているとコンプレックスに発酵しやすいです。さっさと経験するに限ります。ベン・スティラーの『LIFE!』がちょうどそんな映画でした。

ただしスカイダイビングには当面は挑戦しないと思います。万一命に関わる事故が起きてしまったとき、もっと作りたいものがあったのに、もっと勉強したかったのに、と間違いなく後悔するからです。びびっているだけかもしれませんが。

海外ハッカソンの場合、方法は非常に簡単です。Eventbrite->Skyscanner->HostelWorldの順に数回クリックするだけで、あとはキャンセルさえしなければ、物事は勝手に進んでいきます

遣唐使船が沈む訳でもなく、黒船に密航しないと外国に行けない訳でもなく、数か月分の給料を使わないとジェット機に乗れない訳でもありません。ちょっとした挑戦をするのに、自分自身以外、外的な障害は何もありません。そこは日本人に生まれたことを非常に幸運に思うべきます。

とにかく英語に自信がなく、Startup Weeekend Tokyo(英語版)への参加や、IdeaConnectionやInnocentiveへの応募も躊躇していましたが、今後は多少違った態度で臨めるに違いないと思います。

出会った開発者の一部はドイツ以外から来ていて、非母国語の英語で仕事をしていました。 ヴォイチェクにしてもポーランドから来てベルリンのスタートアップで働いており、社内は英語のみのためドイツ語が全く話せません。 ハンくんの英語も少々怪しいところがありましたが、彼は僕のフロントエンドの知識を吸収しようと必死でした。

名前を忘れるほど多くの人と会話をしましたが、誰一人、僕が相手の英語を理解できなかったときに嫌な顔をしませんでした。

考えてみると、日本がたどたどしい外国人がこちらの日本語を理解できなかったとしても、普通は嫌な顔はしないでしょう。相手の熱意が伝わる限り。

語り得るものについては、沈黙してはならない。開発者なら。何か作ったなら。(ヴィトゲンシュタイン 自分)

自分からは以上です。

1.7€の蜂蜜ミルクの美味しさの秘密について

Betahaus Cafeでサイトを更新していると、横にいた人(フィリップ)が、

MacMySQLをインストールしたのはいいが起動するとエラー終了して、もう2日間先に進めていない」

ということだったので、エラーを一つずつつぶし、ついでにrootパスワードの変更等もしてあげた。
是非にというので一杯ご馳走してもらった。

人と一緒に画面をみながら、叫んだり怒ったり興奮したりしながら、作業する感覚は最後のハッカソン以来だ。

リモート外注として仕事をしてきて感じるのは、 「何かでつまづいたときに、絶対に自分で何とかするしかない」 ということ。別にネガティブな含みは全くない。それで良いと思う。 現実的に日米時差の問題があるので、リアルタイムでのやり取りは難しいということもある。

たいていの問題は自分で解決できるという自覚があるし、そこを信頼してもらっているから仕事があるのだと思う。 完全に解決できなくても、

  • わかったことをまとめて報告
  • 代替策を調べておいて提案する
  • その上で残りの時間は別タスクに割く

という常識的行動をしておけば、たいてい問題は起きない。

仕事としてはそれで良いが「人と一緒に作業する」というのは食事や運動と同じで、 プロセスの共有という見えない利益がある。

昨日はノマドインタビューでお菓子をもらい、今日はサポートで蜂蜜ミルクを飲み・・・明日が楽しみだ。

ノマド取材インタビュー in Berlin

日曜日でBetahaus Cafeが閉店なので、

genki-wifi.net で紹介されていた、St.Oberholzで作業していると、
ニコニコした中国人がやってきて、大きな袋からお菓子を取り出し、
「なぜここにいるのかインタビューさせて、ね?これあげるから」と言うので受けてみた。

中國人民大學でassistant professorをしているという杜文宇(Wenyu Du)さん(相性はDerek)。 北京から、ベルリンのスタートアップ事情を取材にきたらしい。

中國人民大學は人文系らしいが、研究室分野は、
Management Science and Engineeringとなっている。経営系ということ?

Derekの研究室ページ

ノマドという言葉を知らなかったみたいで説明していると、 「ああ、それはこの本が紹介している生活スタイルですね」といって、『週4時間だけ働く』を教えてくれた。

Kindle版がない!
ノマドを推奨するベストセラーのKindle版がないって、どういうこと?
僕のリュックにこの巨大な本を入れるスペースがあるとでも?

kindleで読む工夫はないのか?みんなどうしているのか?
自炊業者というのに頼んでいるのか?それは高くないのか?

というのかそもそも、出版社は原稿テキストデータを持っているのだから、
デザインも何もないテキストで良いので、全ての本をKindle化してくれても良いのではないか? Amazonや出版社や政府はもっと電子化に力を入れてほしい。
例えばエコという名目で、Kindle減税みたいなのを導入して、電子化するほど出版社が得をするような措置はできないのか?

英語版Kindleがある。

北京に行ったときは会いましょう、といって別れた。

旅行のためのエンジニア的工夫(1)

旅の道中では、オフラインかつ暇、ということが度々ある。

  • 電車・バスを待っているとき
  • 電車の乗り換え、電車の長時間停車時(国境とか)
  • ホステルのwifiが不調

本来そのような場合は、

  • 同席している人と会話を楽しむ、もしくは言葉を習う
  • 読書(文学でもノンフィクションでも適度に真面目そうなやつ)
  • 絵や小説などの創作活動
  • PCで何か開発

という対処が正しいが、今回はTEDを一気に観ることにした。

TEDダウンローダ

を作り、日本語字幕つきTEDを150本くらい落とした。
groovy×seleniumはかなり書きやすいな。

ホステルで他の人とご飯を食べるときや呑んでるときに一緒に観る、というのも良いかもしれない。
議論のネタにもなるし。

でもこれってNomadコミュニティでDropbox共有フォルダを作って、
そこに映画でも何でも置いて仲間内で共有するのがベストなんじゃないだろうか。
現にHubudでは登録メンバー専用の共有サーバを作って、大量の映画を置いていたし。。。